宮城県議会議員 高橋伸二

一般質問議事録

平成21年09月 決算特別委員会

◆(高橋伸二委員) 皆さんおはようございます。自由民主党・県民会議の高橋伸二でございます。今回、初めての決算総括質疑をさせていただくこととなりました。何分ふなれでございますけれども、皆さんにはお聞き苦しい点も多々あろうかと思いますけれども、最後までどうぞよろしくお願いいたします。
 村井知事におかれましては、四年間のお務め本当にお疲れさまでございました。まだもう少し残っておりますけれども、次の議会もこうして向かい合って座れるように、大変厳しい戦いになるとは思いますけれども、今、知事をどうしてもかえなくてはならないという積極的な理由はどこにもないと私は思っておりますので、富県宮城を加速させて、そして豊かなこの宮城をつくる、一日でも早くそれを達成するということに全力を上げるためにも、何が何でも勝ち上がっていただきたいと思います。私も全力を挙げて協力をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、質疑に入らせていただきます。
 まず初めに、県税収入未済額等への対応についてということであります。
 県税収入未済額、県民税の収入未済額についてですけれども、歳入決算審査意見書において、徴収努力がなされているが、しかし、更に適切な対策が必要というふうになっております。確かに徴収努力はされたとはいえ、前年度に対し十一億円以上の増加の五十五億円余りの県民税収入未済額になります。これは、県税収入未済額の約六六%と多額に上っております。
 昨年後半から二十年度末にかけて経済の急速な悪化という想定以上の事態に至り、個人所得が減少したということもありますけれども、そのような大変な中でも、まじめに納税の義務をきちっと果たしている、そういう方々がほとんどであるわけであります。そういったまじめな方々がばかを見るというようなことになっては決してならないわけでありまして、ただでさえ厳しい県財政の状況を少しでも改善の方向に向けていくということを考えるにおいても、これを何とか解消する方策をとらなくてはならないと考えます。そのために、収入未済の対策として徴収の新たな方法を検討して実行に移す必要があると思われます。
 まず、この数字を見てどのような見解をお持ちか、伺います。
 また、この対策として今後どのような取り組みが検討なされているのか、伺いたいと思います。
◎(村井嘉浩知事) 個人県民税の収入未済額は、確かにおっしゃるように、県税全体の収入未済額の六六・三%を占めております。非常に大きな額になっているということでございます。その理由といたしましては、今お話しいただいたとおり、三位一体改革以降、所得税から個人住民税への税源移譲をされたということで、個人住民税の割合が大きくなった、その分未済額もふえているということでございます。
 今後の取り組みといたしましては、個人県民税は市町村において賦課徴収しておりますため、ことしの四月、県と二十五の市町村で設立をいたしました宮城県地方税滞納整理機構におきまして、個人住民税を含む市町村税の滞納整理を推進するとともに、市町村職員の徴収技術の向上に取り組むこととしております。また、給与所得に係る個人住民税の特別徴収、つまり給与の天引きですね、これを実施していない事業者の方に、市町村と連携をいたしまして、特別徴収、給与天引きにしていただけるように働きかけをしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◆(高橋伸二委員) 何しろ実効の上がる政策、そして結果を出していけるように努力を重ねていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、自動車税についてでございますけれども、こちらは十三億円を超える収入未済額というふうになっております。仮に、車一台五万円としても二万六千台分ということになりまして、大変大きな台数分ということになると思いますけれども、それでも昨年より減少しているということでありますけれども、やはり額面としては大変大きな金額になっているということでございます。こちらも多くの県民は、どんなに苦しい家計状況にあったとしても、きっちりと納税の義務を果たしているわけでありまして、まじめに納めている人からすれば、この数字を見て、やはり穏やかな気持ちではいられないのではないかと推察できるわけであります。この点についてどのようなお考えか伺いたいと思いますし、また、今後の対策をどのように考えているのか、伺いたいと思います。
◎(石山英顕総務部長) 今お話ございました自動車税の収入未済額でございますが、前年度より二億三千五百万円余り縮減、四年連続での縮減となったところではございますが、お話ありましたように、十三億二千六百万という多額の収入未済でございまして、県税全体の収入未済の一六%を超える状況となっているところでございます。
その要因でございますが、車検のときに払えばいいという車検期納付というようなことが多い、あるいは下取りに出したとか名義変更せずに譲渡したといったような移転登録や抹消登録を怠ったことに起因する滞納ということが多いというところがございます。
そうした中で、今後の取り組みでございますが、自動車税というものが滞納件数が多い税目でございますので、効率的な文書催告、電話催告、訪問徴収を行っていくということが基本かと思います。その中で、納税する意識が見られないという方に対しまして、現年度の課税分についても、財産調査の徹底、それからタイヤロックを活用した自動車差し押さえなど、積極的な財産差し押さえなどの滞納処分を実施して、件数の圧縮を図っていく必要があろうかと思っております。また一方では、納税しやすい環境の整備ということも大事かと思っておりまして、これまで、コンビニ収納であるとか、インターネットを使ってのペイジーシステムに加えまして、クレジットカード納付システムの導入にも取り組んでいるところでございます。

◆(高橋伸二委員) そのコンビニ収納ですけれども、それは実際のところどれくらいの効果があらわれているのか、ちょっとわかれば教えていただきたいというふうに思います。

◎(石山英顕総務部長) 二十年度の定期賦課につきまして、期限内納付率六八・二%だったところでございますが、このうちコンビニ納付によるものが三二・二%と半分に迫る勢いだというようなことで、利便性が確保できているのかと思っております。前年度より期限内納付率二・六%上回っておりますので、そういった利便性向上によるコンビニ納付の効果というものがそれなりに大きいものではないかというふうに認識しております。

◆(高橋伸二委員) コンビニでの納付ができるんだということがもっと多くの人に知らしめることができれば、更にこれが上がってくるんじゃないかというふうに思われますので、そういった方法もぜひ考えていただきたいというふうに思います。
次に、不納欠損額についてでありますけれども、これは法律上、五年で時効になるということであります。五年間逃げ切れば納める必要がなくなるという話でありまして、踏み倒しみたいな話になるわけですけれども、まじめな納税者にとっては全く信じられない話になってしまうんだと思いますが、その額面ですけれども、二十年度八億六千万円、十九年度七億七千万円、十八年度十三億円、十七年度七億円、十六年度二十億六千万円、五年間の合計で五十七億円を超える額ということになっております。やはり大変大きな金額、多額になっておりますけれども、これをほうっておけないという状況だというふうに思いますが、新たな納税をしないような方々もこれで生み出してしまうようなおそれも実は心配されるわけでありますけれども、これについてどのようなお考えか、見解をお示し願いたいと思います。

◎(石山英顕総務部長) ただいまお話ございました不納欠損でございますが、例えば財産調査を行っても差し押さえ可能な財産がない場合、あるいは滞納処分を行うことにより生活が著しく窮迫する場合など、やむを得ない場合に法律の規定により処理するということとしております。
不正軽油などによります大口事案が生じたこともありまして、近年増加傾向にございますが、税負担の公平性といった観点から、課税した県税は可能な限り全額徴収すべきものということが基本かと思っております。そのためにできるだけ早期に滞納整理に着手するなど必要な徴収努力を講じていきたいと考えております。

◆(高橋伸二委員) やむを得ない状況がそこにあるんだというようなお話もありましたけれども、それが本当にそうなのかというふうな疑問を持つことも実はあるわけでありまして、話はちょっと違いますけれども、例えば、小学校給食費とかですね、払えるのに払わないという、こういった方々も結構いるやに伺っております。携帯電話使って、外車に乗って、それで給食費を払わない、こういった方も実はいるようでありますので、そういったことがこの場面ではないのかどうなのか、そういったこともぜひ精査をしていただければというふうに思います。
不納欠損額ですけれども、年度ごとに先ほどお示ししましたけれども、額面が上下している状況にあります。ちょうど一年ごとに上がったり下がったりを繰り返しているということがわかりますけれども、これは一体どういうことに起因するものなのか。ある一定の額で推移するということではないようでありますけれども、その時々の経済情勢に関係したりするものなのかどうなのか、ちょっと見解について伺いたいと思います。

◎(石山英顕総務部長) 不納欠損でございますが、先ほど委員からお話ございました五年間の時効のほか、滞納処分の執行停止を行って差し押さえ可能財産がない場合に、執行停止で三年の期間経過した場合、そういった場合がほとんどでございます。しかしながら、企業倒産によりまして、将来事業再開の見込みが全くない場合に、即時に不納欠損の処理を行うという場合がございまして、これが年度ごとにばらつきがある理由となっております。
具体的に申しますと、軽油引取税の不納欠損処理などで、十六年度は、輸入軽油案件の滞納額十五億四千万、十八年度では不正軽油製造案件の滞納額約四億五千万、二十年度では、不正軽油製造案件の滞納額約九千万といった非常に大きな額が不納欠損処理となっていると、そういった事情がございます。

◆(高橋伸二委員) それでは、次に移りたいと思います。
基金の二十年度末の残高ですけれども、九百三十四億四千三百万円、そのうち財政調整基金、これが約四十四億円で、年度間の財源の不均衡是正を図るという観点からすると、心もとない額面になっているというふうに思います。
岩手・宮城内陸地震は大変な被害をもたらしましたけれども、現在着実な復興が進んでおります。村井知事の当時の迅速な対応も非常に評価が高かったわけですけれども、今後、また来てほしくはないけれども、あのような想定外の大きな地震等の災害がまた来ないとも限らないわけでありまして、宮城県沖地震は確実に来るとも言われております。
歳入歳出決算説明の要旨を見ますと、基金がほぼ枯渇と書いてあります。そして、二十一年度は更にそれが取り崩されているということになりますと、今後我が県の財政運営について少なからない不安を感じるわけですけれども、この点について、現在の状況も含めて見解をお示しいただきたいと思います。

◎(村井嘉浩知事) 財政調整基金の残高につきましては、平成二十年度末残高は、議員御指摘のとおり、四十四億円でありますものの、二十一年度当初予算においてほぼ全額取り崩したということでございまして、現時点においては枯渇をしていると言える状況にございます。
大きな災害がございましたときには、国のいろんな手当てございまして、ほとんど一般財源を使うということはなくて済むわけでございますが、しかし、ランニングコストがもう根本的に不足をしているということでございまして、そういった意味では大変大きな問題と考えております。特に、このままいきますと、平成二十三年度以降、巨額の財源不足が見込まれます。したがって、財政再建のための新たなプログラムを一日も早く策定をいたしまして、しっかりとした対応をとっていかなければならないというふうに考えております。

◆(高橋伸二委員) ぜひ、その財政再建プログラムを着実に実行していただいて、宮城県の財政の健全化に向けて進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、県立病院の医師不足対策と経営健全化について伺いたいと思います。
国の医療制度改革によって、医師数の確保が大変難しくなって、医師不足や医師の偏在が生じ、これが原因となり、患者数の減少を引き起こして、結果として、病院の経営に大変深刻な影響を与えているというふうに言われておりますけれども、この点についてどのようなお考えか、見解についてお示しいただきたいと思います。

◎(木村時久病院事業管理者) 医師不足の大きな要因の一つとして、新臨床研修制度により、医師が都市部などの特定の病院に偏在していることが挙げられますが、医師不足は、患者数の減少をもたらし、ひいては病院の収益を悪化させるなど、病院の存続にかかわる重大な問題となっております。特に、県立病院における医師不足は、県民に必要な政策医療や高度・専門医療を安定的に提供していく上で大きな課題であると認識しております。

◆(高橋伸二委員) 慢性的な医師不足については、全国の自治体病院が抱える共通の大変大きな課題であるというふうに考えております。このことが病院経営に深刻な影響を与えているというお話でございますけれども、県立病院においても、やはり同様の問題を抱えているのではないかというふうに思われます。この点について、診療科目ごとの医師数の充足の状況について、現状どのようになっているのか、お示しいただきたいと思います。

◎(木村時久病院事業管理者) 平成二十年度末現在において、医師定数に対する欠員が生じている診療科は、循環器・呼吸器病センターの呼吸器科、心臓血管外科、呼吸器外科、麻酔科、消化器科及び放射線科で各一人の計六人となっております。精神医療センターの精神科で三人、また、がんセンターの緩和医療科で二名、消化器科及び婦人科で各一人の計四人の欠員となっております。十診療科で十三人の欠員が生じております。
なお、定数を上回って人員配置されている診療科があることから、医師の定数に対する充足は、県立病院全体で八名の欠員となっておりますが、平成二十一年の九月一日現在では、欠員が二名に改善されております。

◆(高橋伸二委員) 県立三病院のそれぞれの状況を今伺いましたけれども、それでもまだ足りない部分があるということであります。
病院の経営においては、医師の定数をしっかりと確保していく、これが大変重要なことになっているわけでありますけれども、診療科目ごとの医師が不足した状態になると、結局、お話のとおり、患者は離れ、収入を減少させて、病院経営を圧迫して、それがまた更に次の医師の退職を引き起こしてしまうという、負のスパイラルというような形になってしまうんだと思いますけれども、病院経営において、診療科目ごとの医師を充実させていくということがやはり重要だということがわかるわけであります。
これからの医師の定数確保についてもう少しというところにあるというふうなお話でありますけれども、どのような計画でこれを実現させていくのか、今後の見通しについてお示しをいただきたいと思います。

◎(木村時久病院事業管理者) 医師の確保については、高度・専門医療を提供する病院として医師が集まるような魅力ある病院づくりを行うことが重要であります。そのためには、高度・専門医療の技術習得のための研修制度、例えば海外の大学への派遣研修の拡充などにより、医師のスキルアップを図る仕組みの構築や二十四時間保育所の開設など、県立病院において勤務条件の魅力を高めることによって、新たなマンパワーの確保に努めていくことが必要と考えております。
なお、地方独立行政法人化後は、職員の業績などを適正に評価し処遇向上につなげるような制度の構築と新たな処遇改善についても、前向きに取り組んでいく考えであります。

◆(高橋伸二委員) ぜひ、積極的に取り組んでいただきまして、医師不足を一日も早く解消していただくような努力を続けていただきたいというふうに思います。
これからのがん患者の増加の予測を見ますと、大変大きくがん患者がこれから年を追うごとに増加していく状況になると思いますけれども、がんセンターの果たす役割は更に重要になってくる。また、それに寄せられる期待も大変大きなものになっていくと考えられます。間違いのない医療の提供、そして病院経営が要求されるわけですけれども、がんセンターにおいては、包括診療報酬制度などを導入したことによって、医業収益が前年度比のプラス四億円、四億円の増加ということになっております。これは制度導入によって、当初の見込みどおりに効果が期待されたとおり出た結果こうなったのか、十分に期待どおりの効果があらわれているのかどうなのか、伺いたいと思います。

◎(木村時久病院事業管理者) がんセンターにおける医業収益の増加は、平成二十年四月から包括診療報酬制度、いわゆるDPCを導入したこと、平成十九年七月から導入した七対一看護体制が平成二十年度からは年間の算定となったこと、そして入院患者数が増加したことなどによります。そのうち、平成二十年度におけるDPC導入の効果は、従来の出来高方式との比較で約一億三千万円の増収となっております。制度導入により、収支改善に大きな効果が上がったものと考えております。

◆(高橋伸二委員) 次に行きたいと思います。
未収金の取り扱いについてですけれども、これにつきましては、循環器・呼吸器病センターが約一千万円、精神医療センターがこれが一番多くて五千三百万円、がんセンターで二千三百万円程度の未収金があるということになっております。合計しますと、九千二百万円となります。これについて、それぞれの病院においてどのような対応をとっているのか、伺いたいと思います。
昨年の決算特別委員会の−−後ろにいらっしゃいます菊地恵一委員の質疑の答弁によれば、未収金縮減対策実施計画が新たに策定をされた二十年度は新たな対応がなされているということになっているはずでありますけれども、その成果についても伺いたいと思います。

◎(木村時久病院事業管理者) 平成二十年度病院局未収金縮減対策実施計画では、納入相談等の未収金の発生防止対策とともに、未納者への催告書の送付や自宅訪問等による未収金の徴収などの未収金発生後の管理縮減対策を重点的に実施することにいたしました。本計画は、前年度の計画に加え、新たに過年度の未収金の額の削減目標を掲げ、平成十九年度末残高に比べ二〇%以上を減少させることといたしました。その結果、精神医療センターでは、経済的に困窮している長期入院患者の未納額が増加していることなどから、過年度未収金の残高がやや増加したものの、他の病院での未収金残高は前年度に比べ減少しております。また、新たに発生した過年度未収金の額が発生年度に比べ減少するなど、一定の成果があったものと考えております。
なお、各病院ごとの取り組みとしましては、循環器・呼吸器病センターでは、法的措置実施の検討過程での未納者との交渉や、多額未納者からの納付の確約の取りつけ、精神医療センターでは、外来未納者すべてに対する面談の実施や、看護長経験者を加えた徴収体制の一班から二班への増班、がんセンターでは、未納初期段階での相談等納入促進対策の強化、入院費の支払いに係るパンフレットの改善などを行っているところであります。

◆(高橋伸二委員) これ、納めないから診ませんというわけにはなかなかいかない話でありまして、大変難しいところだと思いますけれども、引き続き努力を重ねていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、病院の運営形態を見直すために、県立三病院が目指すべき方向性、これが非公務員型の一般地方独立行政法人化である、このような報告が包括外部監査の中でなされているわけであります。改めて、この独立行政法人へ移行する、このメリットについてどのような効果を期待されているのか、伺いたいと思います。

◎(村井嘉浩知事) 地方独立行政法人化は、県として、将来にわたりまして政策医療や高度・専門医療を安定的に提供できる体制を整備強化するために行うということでございます。法人化になりますと、随時募集により人材の確保が大変容易になります。
先般、私、宮城大学の卒業式に行った際に、学校の先生に言われて、はっと気がついたんですが、宮城大学の看護学部の学生が県立病院に就職をしない、看護師として就職しないって言われるんですね。それは難しいんですと。なぜですかと聞きましたら、学生は卒業論文を書きながら国家試験の看護師の試験の勉強しなきゃいけないと、それに更に公務員試験の勉強までというと、余りにも三重苦になってしまって、とても対応できない。したがって、まずは国家試験を通って卒業するのを最優先にしますので、県の試験を受けるのはやはりできないんですと。したがって、民間病院に流れていってしまいますということでありました。
医者と同じように、県も、看護師だけ特例に採用できないかと考えたんですが、病院に勤めないで、県の一般職として看護師として働いている職員もいるんですね。その場合は公務員試験を受けさせて、病院の場合は公務員試験なしというのも不平等なので、非常に難しいということでありました。こういうことが、今度は独法化になりますと、病院の独自の判断で採用ができるということになりますので、非常にそういった面で採用しやすくなるんじゃないかなと考えたということが一つ。それから、県の定数管理の対象外になりますので、柔軟な人事配置が可能になります。それから意思決定が非常に迅速化になります。理事長、病院長の考え方で随分意思決定がスムーズになると思います。また、予算の弾力的な運営ができるようになるということがありまして、私は、県民の視点から考えますと、非常に患者サービスの向上、良質な医療提供、経営の改善が期待できるのではないかなと思います。
また、病院管理者といろいろ話したんですが、やはり先生方、病院の全体のモチベーション上がることによって、やはり収益が相当変わってくるということでございますので、その辺はすばらしい方に理事長、病院長になっていただきますと、病院全体のモチベーションが上がって、経営にも大変プラスになるんじゃないかなと、このようなことを私は考えているということでございます。

◆(高橋伸二委員) 大変大きな期待される効果、これが見込まれるわけでありまして、着実な準備を進めていただきたいというふうに思います。
一般質問でも取り上げられていたと思いますけれども、この独立行政法人化の際に、現在のいわゆる病院の累積赤字、これを補てんする旨の知事答弁があったように記憶しておりますけれども、現在見込まれている一般会計からの持ち出しはどの程度というふうに考えられているのか、お尋ねしたいと思います。

◎(木村時久病院事業管理者) これまでの累積欠損金は、病院事業会計内の資本剰余金によって処理することを考えており、一般会計からの持ち出しは想定しておりません。

◆(高橋伸二委員) ぜひそういった形で進められることは、こんなにいいことはないというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、村田町の竹の内地区産業廃棄物最終処分場の支障除去対策等についてでございます。
村田町竹の内地区産業廃棄物最終処分場における支障除去の恒久対策については、この三月に工事が完了しまして、一区切りついたということだというふうに思います。
そこで、伺いますけれども、生活環境影響調査評価委員会において二十一年度から実施が決定されているバイオモニタリングについてであります。処分場の周辺の住民からは、処分場からの放流水による河川への影響について心配がされているわけでありますけれども、現在のモニタリングの実施の状況と、河川に対する影響について伺いたいと思います。

◎(今野純一環境生活部長) 今、委員からお話ありましたように、処分場支障除去対策工事の後のモニタリングについては、評価委員会の答申を受けて、モニタリング計画を策定して、これに基づいて行っているところでございます。その中で、バイオモニタリング、今年度から実施をすることにいたしておりますが、このバイオモニタリングというのは、AOD試験と申しまして、コイ科のアカヒレという小さな魚です、この魚を用いた生物毒性試験ということで行っております。荒川への放流水の流入地点があるわけですが、その上流と下流において年四回河川の水を採取いたしまして、その水でこのAOD試験を行う。その試験によって、処分場からの流水によって河川に影響が出てるか出てないかというのを評価するというモニタリングを行っているものであります。このバイオモニタリングについては、住民の皆様の理解をいただくために、ことしの八月に保健環境センターで、このAOD試験を実際どうやっているかという見学会も実施をしているところでございます。
ことしの六月に実施をしました第一回目のバイオモニタリングの結果では、処分場からの放流水による河川への影響はないというふうに考えておりますけれども、十一月に評価委員会を予定してございますので、その評価委員会の場で評価をお願いをするということにいたしております。

◆(高橋伸二委員) 次に、硫化水素ガス等の状況についてでございますけれども、多機能性覆土が有効に機能しているのか、これの検証が必要だというふうに考えられます。これは周辺住民のガスに対する不安を払拭する上においても非常に重要で、環境への影響を防ぐために、精度の高いモニタリングが求められるところでありますけれども、現在の多機能性覆土の状況と周辺環境への影響は十分に防ぐことができているのか。あるいは現時点において更に精度の高いモニタリングの実施や新たな多機能性覆土の範囲を拡大するなどの必要ないのかどうなのか。十分に安全性は確認されているのか。見解を伺いたいと思います。

◎(今野純一環境生活部長) まず、精度の高いモニタリングということでは、今年度から地下の廃棄物層から発生したガスが予定したとおり多機能性覆土によって捕捉されているかどうかということを確認するために、グラウンドエアシステムという調査を年四回行うことにしております。簡単に言うと、電気掃除機のようなもので地中の空気を吸い取って調査をするというものですが、ことし六月に第一回目のグラウンドエアシステムの調査を行っておりますけれども、これによっては硫化水素が大気中に放散されているということは認められなかったということで、この多機能性覆土、十分機能しているものというふうに考えております。
また、処分場の敷地境界に設置しております硫化水素の連続モニタリング装置、あるわけですが、環境基準値であります〇・〇二ppmを超える数値は連続モニタリングの装置でも検出されていないということで、硫化水素については確実に安定化に向かっているのではないかというふうに考えているところでございます。
また、新たな覆土の範囲の拡大といったことについての御質問ですが、対策工事前のモニタリングと比較をして、浸透水とか地下水、それから発生ガスの調査地点数、これふやしておりますし、また先ほどお答え申し上げたバイオモニタリングとかグラウンドエアシステムとかいった調査を今年度から新たに行うといったことで、監視は強化したものとなっているというふうに考えております。
処分場の周辺環境への影響は、これまで実施したモニタリングの調査結果ではないというふうに考えておるところでありますが、十一月にこれの評価委員会、予定をしておりますので、今年度の上半期でのモニタリングの結果の評価をお願いして、そこで御判断をお願いするというふうに考えております。

◆(高橋伸二委員) 時間の都合で、三つほど飛ばさせていただきます。
処分場内の焼却炉については、処分場と一体化している施設であるというふうに指摘を受けております。ダイオキシンを大量に含んでいるおそれがあるのではないか、地域住民からはそのような心配が寄せられておりますけれども、この焼却炉の煙突が視界に入るだけでも精神的にもう嫌だというような理由から、この焼却炉の解体撤去、この要望がなされておりますけれども、この点について、難しいという話は前にも伺っておりますけれども、改めて、実際どうなのか伺いたいというふうに思います。

◎(今野純一環境生活部長) この焼却炉の問題については、今、委員からお話ありましたように、従前から地域住民の方からも何度も御要望をいただいている事項でございます。焼却炉の周辺の汚染物質については、平成十六年度に調査を行って汚染が確認されたものは、既に行政代執行の中で撤去をしていると考えております。
この支障除去対策工事という枠組みで一連の工事をさせていただいたということで、問題となっております焼却炉については、その中で、生活環境保全上の支障がないというふうに判断されているということで、この支障除去対策工事の対象とはなっていないということでございますけれども、ただ、県としては、地域にとってこの焼却炉の問題、大きな問題となっているということはしっかりと承知をしているということでございます。

◆(高橋伸二委員) もう見たくないというようなこともあるものですから、ぜひ引き続き検討をお願いしたいというふうに思います。
行政代執行という形で支障除去対策が進められたわけですけれども、これに係る特別納付金一億六千万円余りが収入未済額ということになっています。これについて、どのような見解なのか、お示しいただきたいと思います。
また、どのような対策を考えているのか、今後の対応についても伺いたいというふうに思います。

◎(今野純一環境生活部長) この処分場の支障除去対策工事、法律的な整理の問題、現実的にどういう手法で工事をやれるかといった検討の上で、行政代執行という手法を選択をするしかなかったというふうに考えておりまして、ただ、結果として、行政代執行に要した経費を回収できないで現在も多額の収入未済が生じているということは、これは大変遺憾なことだというふうに考えております。当初の事業者が法人を清算しているということで、法人の役員、また不適正処分を行った実際の行為者などの個人にまで責任の範囲を拡大をして、措置命令の履行、行政代執行の経費を求償してきた経緯がございます。しかし、この措置命令の取り消し請求を裁判に提起されるといったことがあったり、また相手方の所在が不明になったりということがあったり、また資産調査を行っても優良な資産を確認することができなかったりということで、実際には債権回収、大変困難な状況にございます。今後とも、資産調査あるいは行方不明となっている人の所在調査、これを継続して行ってまいりまして、各債務者と交渉を重ねながら粘り強く債権回収に努めてまいりたいというふうに考えております。

◆(高橋伸二委員) 今、部長から粘り強くというお話がありましたけれども、ぜひ、引き続きこの点については取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいしたします。
次に移ります。
県内道路等の整備の現状と今後の見通しについてであります。
高規格幹線道路の整備状況ですけれども、これは我が県の産業の育成や経済の活性化を促すのみならず、緊急車両がスムーズに移動可能になることによる迅速な救急医療の提供や、また、災害時の通行どめ等に対応するための代替機能や一般道路沿線の環境改善など、さまざまな効果が期待できるわけであります。村井知事が掲げる富県宮城の実現に対しても大きく貢献するものであり、高規格幹線道路の着実な整備促進は、この宮城県の明るい未来創造において必要不可欠と考えられます。
二十年度末における高規格幹線道路の整備の状況と、今後の見通しについて伺いたいと思います。

◎(村井嘉浩知事) 三陸縦貫自動車道につきましては、ことし三月に登米インターチェンジまで供用いたしまして、志津川−歌津間が新規事業区間に採択をされました。また、事業中の登米−志津川間や大谷−気仙沼間及び唐桑道路の整備も促進されまして、今年度中には、登米市米谷地区までの供用が予定をされております。北部道路は、利府しらかし台インターチェンジから東北縦貫自動車道富谷ジャンクションまでの整備が進められておりますが、有料道路事業が導入されまして、今年度中の供用が見込まれております。また、仙台東部道路の仙台港インターチェンジにつきましては整備が本格化いたしました。常磐自動車道の山元−亘理間につきましては、今月の十二日に開通をいたしました。また、東北縦貫自動車道に県が設置をいたします大衡インターチェンジにつきましては、六月に国土交通大臣から連結許可がおりましたことから、間もなくインターチェンジの本体工事の着工となります。
今後とも、三陸縦貫自動車道、仙台北部道路等の高規格幹線道路の整備促進につきましては、県だけではなく、国や東日本高速道路株式会社へいろんな形で要請をしてまいりたいと考えております。

◆(高橋伸二委員) 新政権においては、段階的に高速道路の無料化を図り、物流の効率化による経済活動の活性化、二酸化炭素の削減を目指すとしておりますけれども、我が県において高速道路の無料化が現実のものとなった場合、さまざまな影響が予想されると思いますけれども、具体的にどんなことが考えられるのか、伺いたいと思います。また、その対応策についてもお示しいただきたいと思います。
◎(伊藤直司土木部長) 高速道路の無料化に伴います影響、そしてまた、それへの対応についてということでございますが、土日、それから祝日のETC利用によります上限料金千円の、この条件のもとにおきましては、お盆期間中の交通量でありますが、東北縦貫自動車道の泉−大和間で前年比二割強となっております。このように高速道路の交通量は著しく増加しておりまして、至るところで渋滞が発生している、そういう状況でございます。このため、高速道路が無料化されますと、更に高速道路利用台数が増加しまして相当な交通混雑が予想され、また、報道等によりますと、交通量の増加により、競合する鉄道あるいは高速バス関係者及び物流関係者などからも、それぞれ支障を来すというような発言も報じられております。
更に、本県におきましては、宮城県道路公社保有の有料道路、これがあるわけでございますが、この有料道路につきましては、国の高速道路とジャンクション方式で一体となったネットワークを形成されております。このため、高速道路が無料化された場合には、料金徴収に対して利用者の混乱が生じるというふうに懸念しておりまして、更に、道路公社の経営への影響もはかり知れないものがあるというふうに考えております。したがいまして、無料化が実現した場合には、この宮城県道路公社保有の道路につきましても、今後、高速道路ネットワーク全体として一元的に管理をしていただくように、有償による一括移管など国に強く要請しなければならない事態が訪れるんじゃないかなと、そういうふうに考えております。
以上でございます。

◆(高橋伸二委員) ぜひその際には、今、部長おっしゃいましたとおり、国に引き取ってもらう、こういうような方向で進めてもらうのがやっぱり一番いいんじゃないかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
県民や各方面から私も要望を受けますけれども、要望事項の中の道路整備に占める割合は非常に高くて、私自身が受ける要望についても群を抜いているわけですけれども、しかしながら、現政権においては、ガソリン税等の暫定税率を廃止すると明言しております。来年の四月から実施に移されるというような報道がなされていますけれども、このことが県内の道路改良事業への大きな影響が懸念されるわけですけれども、これについてどのような見解か、お伺いしたいと思います。

◎(村井嘉浩知事) 本県の道路財源は、暫定税率分を含めまして、公債費を賄えず、他の県税収入や地方交付税などの一般財源で公債費、借金の不足分を賄っております。つまり、暫定税率分は、新規道路分だけではなくて、借金の返済に充てている。そして、新規の道路分にも使っている。しかし、借金の返済については、暫定税率分だけでは当然足りませんので、一般財源も使わせていただいているということであります。したがって、それが抜けるということは、借金返済はどんなことがあってもやっていかなければいけませんので、その分に一般財源を充てざるを得ない。そうすると、一般財源分がまた減ってしまいますので、それがまた公共事業に反映されますので、相当大きな影響が出てくることは間違いないだろうと、このように考えております。

◆(高橋伸二委員) 民主党は、地方には一切迷惑をかけないんだというようなお話もなされているわけでありまして、もし、そのような穴があいたような状況があった場合は、ぜひ知事、あるいは知事会などを通じて、国に積極的な働きかけをしていただきたいと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

◎(村井嘉浩知事) これにつきましては、宮城だけの問題ではなくて、全都道府県、影響いたしますので、間違いなくしっかりと手当てをしていただくように国に対して要望していくことになろうかと思います。知事会も要望していくことになろうかと思います。県も頑張ります。

◆(高橋伸二委員) 次に、橋梁についてであります。
施工後五十年を超す橋梁は、全体の一四%、ちなみに白幡橋は七〇年でございます。これが二十年後には六二%に大幅に増加するというふうに伺っております。二十年たつと、白幡橋も九十歳ということになるわけですけれども、橋梁の安全性の確保等の観点から、かけかえや長寿命化、修繕計画の策定が急がれるわけであります。現在の計画はどのような状況になっているのか、お示しいただきたいと思います。

◎(伊藤直司土木部長) 橋梁の長寿命化修繕計画についてでありますが、既存の橋梁につきましては、今後適切に管理していくために、老朽化の進む橋梁も含めまして、落橋等により甚大な被害が予想される長さ、これは橋長でございますが、十五メートル以上の橋梁につきまして、昨年度までにすべて点検を終了をしました。これに基づきまして、補修を行う時期、更にはその対策工事費等を内容とします橋梁長寿命化修繕計画、これを今年度中に策定をする予定としておりまして、順次予防保全に向けた補修を行っていく予定としております。
なお、これまでも、補修が必要な橋梁につきましては、長寿命化に配慮しながら、その緊急度に応じて補修を実施しております。先ほど事例に出された橋につきましても、そういう趣旨を踏まえて修繕をさせていただいたというところでございます。
以上でございます。

◆(高橋伸二委員) 百年はなかなかもたないと思いますので、ぜひ積極的な計画策定をお願いしたいというふうに思います。
新政権においては、ダム建設事業をむだな公共事業と位置づけておりまして、総理及び国土交通大臣は、八ッ場ダムあるいは川辺川ダムなど、地元自治体の関係者ほかたくさんの中止はしないでくれという意見には、私から見ると、一切耳をかさないというような雰囲気に見えるんですが、ダム建設の中止を打ち出しているわけでありますけれども、更に百四十三のダム建設事業についてもすべて見直すというふうに明言をされております。
我が県においては、長沼ダムの施工が進められていますけれども、昨年度末までの進捗状況をお示しいただきたいと思います。
また、今後のダム事業を中止しますといった国の新たな方針が示されるかもしれない状況の中で、ダム完成に向けての決意、どのような決意で臨むのか、お伺いしたいと思います。

◎(村井嘉浩知事) 長沼ダムは、昨年度末までの事業費は約六百九十億円でございまして、進捗率は約八八%、もう間もなく終わるというところでございます。
また、長沼ダムは、洪水時における迫川流域の安全を確保するため必要なダムでございまして、二十四年度の完成に向けて着実に事業を進めてまいりたいと、このように考えております。

◆(高橋伸二委員) ぜひ、そういった形で進めていただきたいというふうに思います。
時間が来ましたので、以上で、私の総括質疑を終了させていただきたいと思います。
ありがとうございました。

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