宮城県議会議員 高橋伸二

一般質問議事録

平成20年12月 予算特別委員会-12月10日−01号

◆(高橋伸二委員) 皆さん、おはようございます。
自由民主党・県民会議の高橋伸二でございます。
会派の皆さんのおかげさまで、今回初めて私が総括質疑をさせていただく機会を与えていただきました。
大変ふなれでございますけれども、精いっぱい務めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 きのうは、安全安心宮城県産のカキを食べる会、知事初め執行部の皆さん、御参加大変お疲れさまでございました。
私もあの会に出席させていただきまして、この宮城県産のカキを大いにPRをして回らなければならないなというふうに改めて思ったわけであります。
そんな中で、知事の祝辞、大変私には印象的に頭の中に残っているんですけれども、こういうお話でした。
富県宮城は、水産の振興なくしては発展し得ないと、実現しないと、このような旨のごあいさつでございまして、しかも、知事のあいさつ中、会場は何度もどよめいたんですけれども、静粛に願いますというような注意を何度も制しながら、真剣なごあいさつでございました。更に、伊東部長も、それに呼応したすばらしい締めのごあいさつ、伊達の一本締め。何度聞いてもわからなかったんですが、きのう初めて理解できました。
「よう」パパパン「よう」パンでしたですね。

そんなことはどうでもいいんですけれども、私は、きのうの知事の発言、ごあいさつを聞いて、とうとう知事は、豊かな海づくり大会開催に大きくかじを切ったんじゃないかというふうに私は感じたわけであります。
残るは和牛ということになるんですけれども、それらも含めまして、私は頑張って知事に訴えていきたいというふうに思います。

それはさておき、日本の経済は、日を追うごとに悪化の一途をたどっているという報道が盛んになされています。我が宮城県におきましても、同様に、地域の中小企業は大変厳しい経営を余儀なくされている状況にあります。
また、働いている従業員の方々も、給与の削減という厳しい現実から逃れることができなくて、大変な局面にあるというふうに言えると思います。
そのような中で、我が日本の国会はどうかといえば、相も変わらず与野党が互いにそれぞれの主張を譲らず、物事がなかなか決まらない。なかなか前に進まないといった状況にあります。
我が国の将来や我が宮城県にとっても、これは決していい状況ではないというふうに私は考えるわけであります。
国家国民のために一体何をしなくてはならないのか、日本の将来像をどのように描いているのか、さっぱり伝わってこないというふうな状況であります。我が党も、内閣支持率の上がり下がりばかりに目がいっていまして−−上がってはないのかな、下がるばかりですけれども、そんなことに一喜一憂して、右往左往しているように見えて仕方ないんであります。どうも政権にしがみついていこうというような、そんなことばかり前面に出ているんじゃないかというふうに見えてならないわけですね。国家国民のために必要だということは、たとえどのような批判があろうとも、強い信念のもとにこれをやり遂げるということが大事だというふうに思います。それを国民の前に堂々と示した上で、そして総選挙をやればいいんですね。その結果、仮に支持が得られなくても、それは仕方ないことだというふうに私は思うんであります。

一方の民主党はどうかといいますと、何が何でも反対、とにかく反対、国会をがちゃがちゃに混乱させて、とにかく政権獲得さえすればいいというような動きにも見えるわけであります。与党・野党ともに、党利党略、いわゆる政局最優先的発想からこれを脱却して、日本のあるべき姿、本当の意味での政策論争を本音でやってもらいたいというふうに思うばかりであります。

そんな中で、今度の国会で第一次の補正予算が、そのような状況の中でも奇跡的なスピードで成立をいたしました。今回の県補正予算は、それに関連した内容が多く占められているというふうに思いますが、通告に従いまして、いよいよ質疑に入っていきたいと思います。

まず、一番目ですけれども、今回の補正予算の意義についてであります。 今回の県の補正予算の中身、十一月補正予算案の主要項目という冊子を見ますと、第一番目に、公共事業、道路橋りょう事業費となっております。高橋伸二、橋梁とくれば、白幡橋、命がけということになるわけですけれども、その多くは−−それはどうでもいいんですけれども、その多くは、国の補正予算案に対応するためのものになっているというふうな感じがしてならないわけであります。逆に言うと、国の補正予算がなければ、今回の県の補正予算案、編成する必要はなかったんじゃないかというくらいの消極的な中身じゃないかというふうに思えるんですけれども、この補正予算の編成の意義、これはどこにあるのかということを、まず伺いたいというふうに思います。

◎(村井嘉浩知事) 今委員がおっしゃったとおりでございまして、国におきまして、安心実現のための緊急総合対策に係る補正予算が成立をいたしました、一次補正でございますが。それを受けまして、中小企業の金融対策、また公共事業等の追加措置など、早急な対応を必要とする経費、あるいは平成十九年度の決算剰余金の積み立て、こういったようなものを予算化をしたものでございます。国に追随をするということでございましたけれども、現下の財政状況を考えまして、真にやむを得ず、緊急に追加措置が必要なものということを厳選をさせていただいたということでございます。 結果として、歳出の補正につきましては、財政調整基金の積み立てを除き、すべて国の補正に伴うものとなったのは事実でございますが、中小企業金融対策などの喫緊の課題に、積極的に今後とも対応してまいりたいと、このように考えております。

◆(高橋伸二委員) 厳選したというお話でございましたけれども、我が県は、平成二十一年度と二十二年度、来年、再来年ですけれども、この二年間で二百二十四億円の歳入不足、これが見込まれているということでありますけれども、更に現在、急速な景気の悪化、これが叫ばれている、進んでいるという状況にあるわけでありますけれども、この二百二十四億円の歳入不足、これが更に拡大するんじゃないかというふうに思ったりするわけですけれども、そのあたりの見通しなどはどういうふうに見ていらっしゃるか、お聞かせいただきたいというふうに思います。

◎(石山英顕総務部長) ただいま委員御指摘ございましたとおり、景気が悪化をして、税収等、本県の大きなところでは、法人二税に関するところで影響が出てくるのではないかと懸念しているところではございます。他方、国の地方財政対策で、地方がいろんな地方自治体として業務をするのにどのような財政措置をしていくのか、地方一般財源全体でその対策を考えていくということで、地方税、地方交付税等、その点セットで今後の財政運営というものが決まってくるというところがございますので、その情報をまず待ちたいということがあり、他方で、県でできることについては、一つの行財政改革の中で積極的に対応してまいりたいと考えております。

◆(高橋伸二委員) いずれにしても、大変な、これから来年、再来年以降にということになると思うんですけれども、しっかりと対応していかなくてはならないと思いますので、よろしくお願いいたします。 財政が厳しいのは、耳にたこがよるくらい知事からは聞かせられているわけですけれども、それはよくわかるんですけれども、そのような中であるがゆえに、もっと踏み込んで新たな事業の創出のための予算であるとか、雇用の促進、そして需要の喚起を促すための積極的な補正予算の編成というものも考える必要があったのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。 ◎(村井嘉浩知事) 需要の喚起、雇用の創出、こういったようなものは極めて重要だというふうに考えておりますが、これにつきましては、年度当初からいろいろ計画を立てて着実に実行しておりまして、先ほども申し上げましたとおり、今回の場合は、緊急を要するものに限定をさしていただいたということでございますので、ぜひとも御理解いただきたいと、このように思います。

◆(高橋伸二委員) なかなか、はいそうですかとは言いにくいところではありますけれども、いかんともしがたいという事情もあるということでございますので、その点はそのくらいにしておきまして、次に進みたいと思いますけれども、二番目の中小企業経営安定資金等貸付金についてでございますけれども、今ほど申し述べましたとおり、我が国の経済は、アメリカのサブプライムローン、この問題に端を発して、世界的な、まさに未曾有の金融危機からの大きな影響を受けているというふうに考えております。輸出は減少して、それに伴う企業収益の悪化、そして、設備投資の減少、更に加えて、個人の消費の低迷とも重なりまして、大変厳しい状況下に置かれていることは間違いない情勢のようであります。 本県の経済動向を見ても、雇用情勢の悪化、個人の消費行動の動きも非常に鈍いようでございます。年末商戦を控えまして、我が県の中小企業の方々も大変厳しい経営を余儀なくされている状況であると思います。 まず、これらの中小企業の置かれている現状、経営者の抱えている悩み、そういったものについてどのような認識をお持ちであるのか、知事の所見をお伺いしたいと思います。

◎(村井嘉浩知事) 東北財務局が十月に発表いたしました経済情勢報告によりますと、県内経済は七月から下方修正され、このところ弱い動きが見られるといった判断となっているわけであります。県の聞き取りにおきましても、中小企業者の皆さんは、前年に比べ売り上げが減少している、また、原材料価格の高騰分を価格に転嫁できず、収益は圧迫されているといった声が届いております。 更に、県内における負債総額一千万円以上の企業倒産の状況は、ことし四月から十一月までの累計で百二十二件、負債総額は三百六十九億七千四百万円に上っておりまして、前年同期と比べて件数は横ばいではありますけれども、負債総額は一一八%と、約二割増という形になっているわけであります。 このような状況を客観的に見ますと、県内の中小企業者の皆様を取り巻く経営環境は一層厳しさを増していると、このように認識できるものと思っております。

◆(高橋伸二委員) お答えをいただきましたとおり、現在の中小企業を取り巻く情勢は、大変厳しい状況にあるということが言えると思います。この状況を改善するために、国は、先ほども申し上げましたとおり、十月末に中小企業の方々に対する金融の支援策といたしまして、緊急保証制度、これを立ち上げました。今回のこの制度のポイントの一つは、融資の対象業種、これを大幅に拡大したということ、それからもう一つは、責任共有制度の対象外としたということにあると考えられます。対象業種が六百十八業種まで大幅に拡大をされたことによりまして、全国の中小企業者の約二百六十万企業をカバーすることができるというふうに中小企業庁は言っておりますけれども、かなりの幅広い業種の皆さんにこの制度の恩恵を享受していただくことができる状況になったというふうに思います。それから二つ目、もう一つですけれども、責任共有制度の対象外とした、このことによりまして、通常は、融資に際して銀行等の金融機関も回収のリスクを負っていたものを、すべてにおいて保証協会がそのリスクを負うということになります。そうなりますと、銀行等のいわゆる貸し渋りなどを防ぐ上で大変有効な制度になったと言うことができるのではないかと思いますけれども、今回のこの緊急保証制度の内容全般について、県としてはどのような評価をしているのか、伺いたいというふうに思います。

◎(若生正博経済商工観光部長) 国の緊急保証制度の評価についての御質問でございますが、緊急保証制度につきましては、十一月二十八日までの制度実施後一カ月間、これを見た場合の話をさせていただきますが、保証承諾件数で百十三件、金額で三十一億一千九百万円、これが一カ月間の実績でございます。この実績は、制度実施前のことし四月から十月までの月平均の保証協会の保証承諾実績が月平均約十億円であったのに比べますと、一カ月単位で見ますと、約三倍の実績を上げているということでございます。更に現在また、この実績が日々を追うごとに伸びているというようなことでございますので、この制度の特徴であります信用保証協会の一〇〇%の保証、あるいはお話ありました業種指定の拡大による融資対象者の拡充の効果が確実に結果としてあらわれているものというふうに考えておりまして、中小企業者の資金調達の円滑化に大きく寄与しているというふうに評価をさせていただいております。

◆(高橋伸二委員) 一般質問でも取り上げられておりましたけれども、十月末に緊急保証制度が創設されて以来、日本経済はまた著しく下降線をたどっているということが言えると思いますけれども、県内の実績についてお話ありましたけれども、実績についてと、業種的にどのような特徴があったのかどうなのかというところについて伺いたいと思います。

◎(若生正博経済商工観光部長) 県の信用保証協会における保証承諾の実績、これは直近では十二月八日現在が出ております。保証承諾実績は二百六十九件、六十六億三千八百万円となっております。この報告は実は入ってきたばかりでございますので、業種別の分析は、十二月五日現在、二百四十二件、六十億二千五百万円ベースでお話をさせていただきますけれども、金額ベースで見た場合に、建設業が最も多く、全体の約四割近くを占めております。次に卸・小売・飲食業のいわゆる物品販売業、その次に製造業、更に運輸業の順になっております。また、今のは金額ベースなんですが、件数ベースで見た場合にも、同じような順序での構成になっておるところでございます。

◆(高橋伸二委員) 次の質問もきのうの一般質問でも取り上げられていた内容でもございますけれども、中小企業の方々にとりましては、これから年末にかけて資金需要がいよいよピークに達する、ピークを迎えるということが予想されるわけであります。このために、今後の緊急保証制度のなお一層のPRやあるいは相談体制、これの充実がやはり求められるんだというふうに思います。また更に、金融機関や保証協会の職員に対する周知徹底が望まれる。きのうの一般質問の中にも、銀行の支店長がこれをわからなかったんじゃないかというようなお話もございましたけれども、改めて、県としてのこれまでの取り組みや、今後のこの点についての対策などについて伺いたいというふうに思います。

◎(若生正博経済商工観光部長) これまでの取り組みと今後の対応ということで、一般質問でも御質問あったわけでございますけれども、改めまして、ちょっと整理をして答えさせていただきたいと思います。 緊急保証制度のまずPRでございますけれども、県は、これまで中小企業者への制度の浸透を図るために、商工関係団体への周知、あと業界紙でのPRのほか、県ホームページ、また県内全戸に配布されている県政だより十二月号、これなどを利用して、制度に呼応した県のセーフティーネット資金のPRを行ってきてございます。また、中小企業者からの各種相談につきましては、県の経済商工観光部の商工経営支援課内に金融相談窓口を設置いたしまして、融資に関する情報提供のほか、経営改善に向けた助言についても、中小企業診断士の資格を持つ職員などがきめ細かな対応を行っているという状況でございます。 更に、お話もございました緊急保証制度の実施に当たって、私もいわゆる要請活動をしているわけでございますけれども、県の担当幹部が関係機関に制度を十分御理解していただき、いわゆる中小企業者の実情に応じたきめ細かな対応を徹底されるように要請をしてございます。具体的に申し上げますと、保証協会と金融機関に対してでございます。また、知事みずからも協会並びに銀行協会の代表に直接お会いして、積極的に取り組んでいくという御回答もいただいているというような状況でございます。 このような取り組みの結果、十一月末からでございますが、保証承諾の件数の増加という形であらわれてきているものというふうに考えてございます。ただし、県としては、今後とも、金融相談窓口、更に、年末を控えてございますので、ラジオを活用した広報に取り組みますし、また、必要に応じて関係機関の方にまた要請活動を行っていきたいというふうに考えてございます。

◆(高橋伸二委員) 経済情勢ですね、けさの新聞でしたでしょうか、ソニーの大幅な人員の削減なども載っております。また、この地域、東北を見れば、隣の岩手県などは、東芝でしたでしょうか、見送りというようなお話もありましたし、岩手県として緊急の雇用対策などもとり行われるということになっておりまして、大変厳しい状況にあるわけでありまして、この辺の、この制度を知らなかったために利用できなかったというようなことが決してないような形をぜひとっていただきたいというふうに思います。そうすることによりまして、一社でも二社でも多くの中小企業が救済をされることによりまして、その従業員に対しても大きな影響を与えていくということになると思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 続きまして、今回の国の緊急保証制度、これに伴いまして、県の信用保証協会の回収リスクについて伺いたいというふうに思います。 保証協会が保証した案件、これが万が一焦げついた場合、回収不能になった場合ということだと思いますけれども、先ほど申し述べましたとおり、責任共有制度、これの対象外ということになるために、保証協会がそのリスクを負うということになると思います。そのリスクの負担割合ですけれども、これがどういうふうになっているのか。また、県としては、これをどのような形で負担をしなくてはならないのか。その辺についてお伺いしたいと思います。

◎(若生正博経済商工観光部長) 県の信用保証協会では、保証した案件がいわゆる代位弁済に至った場合に備えて、日本政策金融公庫と保険契約、この名称は、中小企業信用保険契約ということでございますけれども、保険契約を締結をしているところでございます。 今回の緊急保証制度の場合でございますが、保証協会が金融機関に対して代位弁済をした場合、その金額の八〇%が、今申し上げました保険によって補てんされます。残り二〇%相当額が保証協会の負担になるというような状況でございます。この保証協会の負担分でございますけれども、二〇%部分は協会みずからが回収するわけでございますけれども、回収できない場合には、みずからが負担することになります。その負担につきましては、協会の経営の健全性を確保するという観点から、県のセーフティーネット資金分、いわゆる今回の緊急保証制度にのっかっている県のセーフティーネット資金分ですけれども、それについては県が二分の一を補償するということになります。まとめて申し上げますと、結果として、県と保証協会がそれぞれ一〇%ずつを負担するということになります。県は、この一〇%を保証協会に損失補償という形で支援しているというような状況でございます。

◆(高橋伸二委員) 県財政も大変な厳しい状況にあるということは、もう皆さんよく御存じだというふうに思いますけれども、あらゆる歳出、これの見直し、あるいは削減ということをしているんですけれども、いよいよ職員の給与、これを六%削減をしなくてはならないというような、給与削減に踏み切らざるを得ないようなそのような状況にあって、非常に厳しい局面を迎えているということだろうと思います。保証協会への損失補償額が増加すれば、これは更に財政を圧迫するということに直結していくことになろうと思います。これをこのままほうっておくわけにはいかないのではないかというふうに思うんですけれども。 そこで、保証協会への損失補てん額は、これまで年間最大でどれほどだったのか。あるいはまた、損失補償額、これの増減傾向についてどうなっているのか、伺いたいと思います。

◎(若生正博経済商工観光部長) これまでの県の信用保証協会に対する損失補償額でございますが、最大になるのは、恐らく今年度支出になろうかと思っております。ただし、緊急保証制度は据え置き二年でございますので、その分は入っておりません。今年度で約五億六百万円ほどを予想してございます。件数は約二百八十件程度と見込んでおります。十九年度は、件数で申し上げますと二百四十五件で、三億八千百八十六万円でございました。 この損失補償額の傾向でございますけれども、十一年度から十六年度までは一億から二億台で増減を繰り返しておりましたけれども、それ以降、残念ながら毎年増加傾向にあるというような状況でございます。 また、損失補償額の増加理由というのも、一応今分析をしておるところでございますが、現時点で考えられますのは、やはり県制度融資の保証債務残高の六割を占める、いわゆる通称セーフティーネット資金、これに係る代位弁済は増加しているというような状況でございますので、また、近年、無担保無保証の増加、十八年四月から実施しております第三者保証人徴求原則の廃止、第三保証人の廃止ということでございまして、こういったことで代位弁済後の回収が減少している。そういったことで、県の損失補償額が増加傾向を示しているのではないかというふうに、今のところは考えております。

◆(高橋伸二委員) そうしますと、緊急保証制度が実施されて以降、中小企業に対する融資が増加している状況にあるということから、保証協会の保証リスクに対する国の支援のあり方、これも現在の県財政の状況を考慮した場合に、非常に重要になってくるのではないのかというふうに思われます。 保証リスクに対する国からの支援のあり方について、これを県として積極的に国に対して働きかけていく必要があるというふうに思われますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

◎(若生正博経済商工観光部長) 保証協会のいわゆる利用増加に伴いまして、中小企業者の方々、今大変な御苦労なさっているところなんですが、話を保証協会の経営という面だけに限ってお話をさせていただきますと、県の保証協会としては、緊急保証制度の利用増加に伴いまして、まず収入としては信用保証料収入という増加のメリットはあります。ただし、反面、万一、中小企業者が返済できなくなった場合に、金融機関に一〇〇%代位弁済をするという保証リスクもまさに同じように増加するというような状況でございます。このことに対して、現在のところ、信用保証協会に対する緊急保証制度分の国の財政支援措置というのはございません。そういったことで、代位弁済の増加に伴いまして、将来にわたって県の信用保証協会の経営基盤の弱体化を招くという懸念もあるわけでございますので、県としては、委員お話のとおり、今後、機会をとらえて、このことについて、国に信用保証協会に対する支援について働きかけていきたいというふうに考えてございます。

◆(高橋伸二委員) 県財政も非常に厳しい中で、保証協会のまた弱体化が進んでしまうという懸念があるというようなお話でございましたけれども、そういうことを何とかして防いでいかなくてはならない。これは経済を活性化するための資金を融通するということと相反するような話になってしまうのかと思いますけれども、そこを何とかして克服していかなくてはならないというふうに思います。ぜひ、国に対しても積極的な働きかけをしていただきまして、県負担分を少しでも抑制できるような、そういった方向で取り組んでいっていただきたいというふうに思います。 次に、今回の補正予算の計上がなされております中小企業経営安定資金等貸付金、これについて伺いたいというふうに思います。 この中小企業経営安定資金等貸付金でございますけれども、県独自の対策を講じるということは、今回の国の緊急保証制度、この効果と相まって相乗効果を生むということで、非常に高い効果が期待されるところであります。そのようなことから、今回の補正予算に計上されております中小企業経営安定資金等貸付金ですけれども、大変重要な制度だというふうに考えております。 そこで、今回のこの補正予算に計上されている三十三億円の中小企業経営安定資金等貸付金は、国の緊急保証制度とどのような関連を持って、また、どのような効果が期待されるというふうに考えているのか、県としての見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。

◎(若生正博経済商工観光部長) まず、国の緊急保証制度と県の中小企業経営安定資金等貸付金、今回計上しているものとの関連性についてお話を申し上げます。 十月三十一日の国の緊急保証制度の創設に伴いまして、中小企業信用保険法第二条第四項第五号に該当する、いわゆる我々は特定不況業種と言っておりますけれども、特定中小企業者の業種が、百八十五の業種から六百十八に拡大されまして、更に本日八十業種が追加され、合計、都合六百九十八まで拡大されております。この緊急保証制度に呼応した県の制度資金でございます中小企業経営安定資金の経営環境変化対策資金、通称セーフティーネット資金でございますが、これの対象業種も拡大され、今後見込まれる資金需要の増加に対応する必要から、今回の議会におきまして、そのための預託原資である中小企業経営安定資金等貸付金を補正計上しているというような関係でございます。 期待される効果でございますけれども、長期・低利固定で信用保証料率も低く設定している県のセーフティーネット資金の融資枠が拡大されることで、より多くの中小企業者の方々に、一般資金とは別枠で資金調達をできることになりますので、中小企業者の方々への経営基盤の安定に資するものと、そういった期待ができる効果があるものと考えてございます。また、実際に十二月五日現在でございますけれども、本県における国の緊急保証制度の全体の約七割を県のセーフティーネット資金で占めているという実績でございます。

◆(高橋伸二委員) 次に、今回の中小企業経営安定資金等貸付金としての補正予算計上額はただいまお話ありましたけれども、これが三十三億円計上されているわけでございますけれども、この三十三億円となった根拠を、どのような考え方に基づいて三十三億円という予算計上に至ったのかについて伺いたいと思います。

◎(若生正博経済商工観光部長) 三十三億円の根拠でございますけれども、緊急保証制度の創設に伴いまして、今後、この制度に呼応する県制度融資でございますいわゆるセーフティーネット資金の需要増加に対応する必要があるということでございまして、この資金に係る融資枠を百億円増加することといたしまして、そのために必要となる金融機関への預託原資、すなわち追加融資枠を協調倍率、平均三・〇三でやっておりますので、三・〇三で除した三十三億円を補正計上しているということでございます。

この融資枠百億円の根拠といたしましては、まず、四月から十月まで七カ月間のセーフティーネットの五号資金、特定中小企業でございますけれども、五号資金の月平均の平均保証承諾実績が月六億円でございます。

次に、今回の国の緊急保証制度導入によりまして対象業種が約三・三倍になっていることから、一月六億円にプラスして十四億円の増加となるというふうに試算いたしました。この一月十四億円の増加が五カ月間続きますので七十億円が増加すると。更に、今後、年末の資金需要期を迎えること、あるいは景気の一層の後退が懸念されることなどを加味いたしまして、プラス三十億円を上乗せいたしまして、総額百億円というふうに見込んだものでございます。

◆(高橋伸二委員) この三十三億円で、トータル百億円というお話ですけれども、仮にこの三十三億円が五十億円だとすれば、百五十億円の予算を組めると、そういうことになるんでしょうか。

◎(若生正博経済商工観光部長) 細い数字は別にして、考え方としては、例えば預託原資を県で五十億円用意すれば、市中に出回る融資枠は三倍の百五十億円になるということでございます。

◆(高橋伸二委員) 中小企業対策は、金融面、この支援も大変重要であると考えますが、また、内需拡大あるいは需要の喚起という側面も、これもまた非常に大事な要素だというふうに考えております。世界同時不況というふうに言われる大変厳しい状況下にあることは十分理解されるわけであります。セントラル自動車やパナソニックEVエナジー、あるいはトヨタ東北のエンジン工場など、自動車関連企業やあるいは東京エレクトロンなどの高度機械産業の本県での操業開始が、県内における中小企業のビジネスチャンスを拡大する、あるいは雇用や消費にも大変いい影響を与えていく、また、その結果として、宮城県の内需拡大にも大きな役割を果たしていただけるものと、これは大変な期待がされるところであります。しかしながら、世界的に経済情勢は非常に悪化をしているということであります。これらを考えますと、本県進出予定の企業が予定どおり来ていただけるのか。

けさの新聞に、セントラル自動車、二十二日、起工式というふうに記事が載っておりまして、一安心というところではありますけれども、しかしながら、私が伺っていたのは、当初十二万台生産予定、それが相模原と合わせてその程度で、こちらでやる分は数万台というような新聞記事がちょっとありましたけれども。本県進出、セントラル自動車は起工式が行われるということでありますけれども、そのほかの、先ほど申し上げました進出予定となっている会社の予定どおりの進出というところについて大変心配がなされるわけでありますけれども、その企業の皆さんの進出予定に変更はないのか。知事としてどのように認識しておられるのか。また、このような景気の状況が非常に厳しいときでありますけれども、また、そのような厳しいときだからこそ、この宮城の将来に向けて積極的な誘致活動、これも大変重要になってくるというふうに考えるところであります。先ほどの進出予定、変更はないのかということと、それともう一つ、今申し上げました、今後更なる企業誘致の取り組みについて、知事の見解、決意をお聞かせ願いたいと思います。

◎(村井嘉浩知事) セントラル自動車さんの記事がきょう新聞に載っておりましたけれども、私どもの方は、二十二日に安全祈願祭があるというふうなことを伺っております。ただ、もう土地をお譲りしましたので、いつどのような形で使われるかというのは、向こうの御意思でございまして、まだ私の方にはそういった招待状等は届いておりません。 あとは、今御心配なされておりました、こちらの方で数万台というのは、二〇一〇年に工場が立ち上がりましても、当然、「せーの」で一斉に社員もみんな移ってきて、機械も全部こちらで全部稼働してできませんので、まずやはり少ない数からつくり出していって、こちらでちゃんと十二万台をつくれるということになったら、向こうから社員も含めて全部移動してくるということなりますので、そういったことで、最初は少な目に車の数をつくっていくということでございますので、ちょっと長い目で見ますと、全面移転ということには何ら変わりはありませんので、御安心いただきたいと思います。 確かに、北米を中心に世界の自動車販売が減速をしておりまして、自動車メーカーの間に生産計画を見直す動きが出るなど、設備投資を手控える企業も数多く見受けられまして、今後、我が県に進出を予定しております自動車関連企業などにつきましては、進出時期のおくれ、投資規模の縮小などの可能性は多少あるかもしれませんけれども、既に我が県に立地を表明しております東京エレクトロン、セントラル自動車、パナソニックEVエナジーなどの優良企業からは、現時点において投資計画に大幅な変更はないと伺っております。 今後、更なる企業誘致の取り組みにつきましては、世界的な景気後退による影響は否定はできませんが、こういったときこそ、いずれ回復するであろう経済局面に備え、すそ野が広く、中長期的には成長が見込まれる自動車関連産業あるいは高度電子機械産業の一層の集積に向け、引き続き、積極的に誘致活動に取り組むとともに、今後新たな成長が見込まれます太陽光発電などのクリーンエネルギー関連企業などの誘致につきましても、企業動向を踏まえながら、積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。

◆(高橋伸二委員) ぜひ、今後とも引き続き積極的な誘致活動に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。 続きまして、次の質問に入りたいと思います。 財政調整基金積立金についてでありますけれども、今回の補正予算には、約二十四億円の十九年度決算剰余金を基金として積み立てるということになっておりますけれども、先ほど来お話し申し上げましたとおり、厳しい県財政状況の中で、今後、この積立金をどのように活用する計画があるのか、これについて伺いたいと思います。

◎(石山英顕総務部長) 今回積み立てを行うことによりまして、財政調整等四基金の残高でございますが、約六十億円となる見込みであります。そのうち約四十億円につきましては、今年度内に生ずると見込まれる財源不足額を解消するために、今年度中に取り崩して活用する予定であります。そうしますと、残余約二十億となるわけでありますが、来年度の当初予算編成段階において生ずると見込まれる財源不足額を解消するために取り崩して活用することと考えております。

◆(高橋伸二委員) そうしますと、当初予算編成に当たって、これをほとんど取り崩していくということになるんでしょうか−−そういうことですね。二十一年度予算において充当するというような考えがあるということでありますけれども、県職員の給与カット、先ほども申し上げましたけれども、あるいは税収の収入未済額の縮減などとの、こういったものとの関連性についてはどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

◎(石山英顕総務部長) 既に提示しております職員給与の削減率及び削減期間の検討に当たりまして、既に十九年度決算剰余金の発生を前提として織り込んで計算をしていたところでございますので、今回の積み立てによる来年度からの職員給与削減への影響はございません。 また、税収等の収入未済縮減対策でございますけれども、今全庁的に精力的な取り組みを講じているところでありますが、それが功を奏して、新・財政再建推進プログラムを上回って縮減できれば、基金の取り崩しの抑制につながるという可能性もあるところであります。

◆(高橋伸二委員) 決算剰余金は、地方財政法によって、二分の一以上を積み立てなくてはならない。今回はそれを大きく上回る金額が計上されているというふうに言えると思うんですが、中小企業経営安定資金等貸付金に対する三十三億円は、先ほどお話ありましたけれども、これを増額して、中小企業の救済策に更に充実させるという考え方もできると思うんですけれども、それについては検討なされたのかどうなのか、伺いたいと思います。

◎(若生正博経済商工観光部長) 三十三億円は、先ほど申し上げましたような試算に基づきまして、今のところ、今年度いっぱいは間に合うだろうという想定のもとでの要求をさせていただいたところでございます。

しかし、議員御指摘のとおり、今後の推移というのがまだまだ予断を許さないというような状況がございますので、そうなった場合には、来年度予算について更に増額をするという、そうなればそういう可能性は当然出てくるということになろうかと思います。

◆(高橋伸二委員) ちょっと時間の都合上、順番を入れかえまして、消防学校移転整備についてはちょっと飛ばしまして、同じ会派の長谷川委員もこれについて聞くということでありましたので、ちょっとこれは飛ばさせていただきます。

県立学校施設整備費について伺いたいと思います。 今回の補正予算案の中に、仙台第一高等学校の施設整備費が入っております。これは男女共学化に向けた準備ということでございますけれども、一般質問でも取り上げられておりました、この男女共学化の県としての理念あるいは意義、なぜ共学化なのかという点について伺いたいと思います。

◎(小林伸一教育長) 御承知のように、現在の県の共学化の取り組みといいますのは、平成十三年三月に策定をいたしました県立高校将来構想に基づいて行っております。その将来構想の中では、共学化を進める理由といたしまして、一つには、男女がともに学び、理解し、成長し合う場を日常的に設けることが、教育環境としては好ましいということ、それから、税金で運営しております県立高校におきましては性差による入学制限を設けることは好ましくない。主にそういった理由で、これまで共学化を進めてきているということでございます。

◆(高橋伸二委員) 県の教育委員会のホームページを見ますと、多様なニーズにこたえるためというふうな部分がありますけれども、別学で、男子校で学びたい、あるいは女子校で学びたいという、そういうニーズもあると思うんですけれども、そういった部分についてはどのように対応していくのか、お聞かせいただきたいと思います。

◎(小林伸一教育長) 別学がいいのか、あるいは共学にするのがいいのかということについては、県民の間でさまざまな御意見があるということは承知しております。現在の県教育委員会の考え方といたしましては、共学化という枠の中で多様な高校をつくっていこうという考え方でございます。

◆(高橋伸二委員) ありがとうございました。 時間になりましたので、終わらせていただきます。

▲TOPに戻る